相続した土地に土壌汚染の可能性があるとき、売却前に確認したいこと

相続した土地や古い事業用地は、過去の利用状況、資料、調査の要否、契約条件を整理してから売却を進めることが大切です。

相続した土地に土壌汚染の可能性がある場合の売却前チェックポイント

横浜不動産総合窓口では、横浜市内の空き家について、売却・賃貸活用・管理・解体を検討するための一般的な整理情報を掲載しています。

相続した土地を売却しようとしたとき、過去の利用状況によっては、土壌汚染の可能性が話題になることがあります。

相続人ご本人がその土地を使っていたわけではなく、親や祖父母の代、以前の所有者、借主、事業者がどのように使っていたか分からないことも少なくありません。

大切なのは、土壌汚染があると決めつけることではありません。売却前に土地の履歴や手元資料を整理し、買主への説明内容や契約条件を確認しておくことです。

土壌汚染の可能性が問題になりやすい土地

次のような用途の履歴がある土地では、買主や金融機関、建築会社から、過去の利用状況や調査の有無を確認されることがあります。

工場作業場ガソリンスタンドクリーニング店印刷業塗装業金属加工業古い倉庫資材置場過去の用途が不明な土地

このような履歴があるからといって、直ちに土壌汚染がある、売却できない、という意味ではありません。まずは、どの時期に、誰が、どのように土地を使っていたのかを分かる範囲で整理します。

相続人が知らない土地の履歴が問題になることもあります

相続した土地では、現在の相続人が過去の利用状況を詳しく知らないことがあります。古い建物や事業用建物があった土地では、建物の図面、賃貸借契約、事業の資料、解体資料などから分かることがあります。

たとえば、親族が住居として使っていたと思っていても、以前は一部を作業場や倉庫として貸していた、昔の所有者が事業をしていた、というケースもあります。

売却前の実務では、相続人が「知らなかった」こと自体よりも、分かる範囲で確認し、買主へどう説明し、契約書へどう整理したかが重要になります。

売却後に土壌汚染や地中障害物が見つかるとどうなるか

売却後に土壌汚染や地中障害物が見つかった場合、契約内容や説明内容によって、売主の責任範囲が問題になることがあります。

ただし、土壌汚染が見つかったからといって、買主の請求がすべて認められるとは限りません。契約書、重要事項説明、物件状況報告書、調査の有無、工事の必要性、買主の利用目的などを総合して見られることがあります。

過去の裁判例でも、売却後に土壌汚染や地中障害物が見つかり、どの範囲の調査費用や工事費用を売主が負担するのかが問題になった事案があります。結論は契約条項や工事内容など個別事情により変わります。

売却前に確認しておきたい資料

いきなり専門調査へ進む前に、まず手元資料を集めます。すべてそろっていなくても、分かる資料から整理するだけで、売却方針や契約条件を考えやすくなります。

建物・解体関係

  • 古い建物図面
  • 建築確認関係資料
  • 解体工事の見積書・報告書
  • 建物閉鎖登記

利用履歴

  • 過去の賃貸借契約書
  • 過去の事業内容が分かる資料
  • 親族や近隣から聞いた土地利用の記録
  • 古い住宅地図や写真

権利・税務関係

  • 登記事項証明書
  • 固定資産税関係資料
  • 公図・地積測量図
  • 境界確認資料

行政・届出関係

  • 行政への届出履歴
  • 土地利用に関する通知
  • 建物用途が分かる資料
  • 過去の調査報告書

いきなり土壌汚染調査をすべきか

土壌汚染が不安だからといって、最初から専門調査を行えばよいとは限りません。調査には費用がかかり、調査結果の扱い方によっては売却方針や買主との交渉にも影響します。

まずは、土地の履歴、売却方針、買主候補の用途、建物解体や造成の予定、契約条件を整理します。そのうえで、必要に応じて専門調査を検討する、という流れが現実的です。

履歴整理

過去の用途、建物、借主、事業内容、解体履歴を分かる範囲で確認します。

売却方針

現況のまま売るのか、解体後に売るのか、買主の用途を想定するのかを整理します。

調査の要否

買主候補や専門家の意見を踏まえ、地歴調査や土壌汚染調査が必要かを検討します。

契約書で責任範囲を整理することが重要です

土壌汚染や地中障害物の可能性がある土地では、契約書で責任範囲を曖昧にしないことが大切です。現況有姿売買と書いてあっても、それだけですべての責任が当然になくなるとは限りません。

特に次の点は、買主、仲介会社、必要に応じて弁護士や調査会社などと確認しておきたい項目です。

  • 調査を誰が行うか
  • 調査費用を誰が負担するか
  • 汚染や地中障害物が見つかった場合の対応
  • 売主の責任期間
  • 売主の責任上限
  • 買主が解体・造成・建築工事をする場合の事前協議
  • 現況有姿売買との関係

契約不適合責任や特約の有効性は、契約文言と個別事情によって扱いが変わります。法的判断が必要な場合は、弁護士などの専門家へ確認してください。

横浜市内で相続した土地の売却に不安がある場合

土壌汚染の可能性があるからといって、すぐに売却できないわけではありません。大切なのは、不明点を放置したまま進めず、分かる資料、分からない事項、買主へ説明する事項、契約で整理する事項を分けておくことです。

横浜市内では、古い住宅地、事業用地、倉庫、作業場、借地・貸地の履歴が混在していることがあります。相続した土地や空き家を売却する前に、まず資料と履歴を整理しておくと、売却後のトラブル予防につながります。

売却前の説明不足トラブルを防ぐ 相続した実家で最初にやるべきこと 土地条件や再建築可否の確認点 相続した土地の売却前チェックを相談する

相続した土地の履歴や契約条件が不安な方へ

横浜市内で相続した土地、古い倉庫・作業場跡、過去の用途が分からない土地の売却を検討している場合は、売却前に資料と確認事項を整理しておくことが大切です。分かる範囲の資料から、説明内容や契約条件の確認を進められます。